腹黒王子に秘密を握られました
「そろそろやばいなって焦って合コンとかしても、やっぱり恋愛対象になるようなイケメンってなかなかいないんですよねー。アリかなと思ったのは金子さんくらい? でもこっちが必死に誘ってもぜんぜん手応えないから腹立って」
なるほど。
そんな状況で、金子が私と付き合い始めたなんて知ったら、腹が立つのもわかるかも。
私には、エリートの彼氏がいるって噂もあったから、余計に。
「だから、友野さんがオタクで恋愛経験ゼロだって話を、面白おかしく噂する気にならなかったんだよねー。私も人のこと言えないし」
「ありがとう、相楽さん」
「別にー」
いつの間にか敬語が飛んでため口だ。
まぁ、いいけど。
「あーぁ、どっかにイケメン落ちてないかなぁ」
相楽さんはそう言って大きなため息をついたあと、フォークを持ってランチプレートを食べ始める。
「イケメンねぇ……」
アイドルレベルのイケメンしか恋愛対象にできないっていうのは、かなり厄介そうだ。
「あ、柴崎くんは?」
「はぁ?」
「柴崎くんもイケメンじゃない?」
「でも年下でしょー?」
私の提案に、相楽さんは渋い顔をする。
「けっこう気が合いそうだけどな。二人とも、腹黒同士だし」
「あぁ? 誰が腹黒だって?」
険しい表情でドスをきいた声でうなられ、びくりと飛び上がる。
こわい。相楽さん、こわい。