腹黒王子に秘密を握られました
「いいなぁ、友野さんはあの金子さんと付き合いはじめたんだもんなぁー」
ぶんぶんとフォークを振り回しながら睨まれて、肩をすくめる。
「昨日、金子さんちに泊まったんですよね?」
「まぁ、一応……」
私が照れながら頷くと、相楽さんが興味津々の表情で身を乗り出してきた。
「どうでした?」
「どうって」
「もうー、もったいぶらないで教えてよー!」
「教えるもなにも……」
テーブルの下でガシガシ足を蹴ってくる相楽さんの攻撃を躱しながら、真っ赤になって必死に首を横に振る。
「なんにもしてないわけ、ないよね?」
「ええと、それは……」
しつこい追求に、私は言葉に詰まって視線を泳がす。
昨日のことを思い出すだけで、勝手に頬が熱くなった。
「なに思い出して真っ赤になってんの、このスケベ」
「スケベってひどい」
「あー、むかつく。『今友達のノロケ聞かされて胸やけ中』ってツイートしよ」
ふんと鼻息を吐き出して、スマホを手にした相楽さんに、「え?」と驚いて顔を上げた。
「友達……?」
私と相楽さんが?
きょとんとする私に、相楽さんが不満そうに眉を引き上げる。
「イヤなの?」
「イヤじゃないけど」
相楽さんみたいなおしゃれ女子が、私みたいな腐女子となんて、友達になりたがるとは思わなかった。