腹黒王子に秘密を握られました
「じゃあお友達。ほら、ライン登録するからID教えて」
「あ、はい」
ずいと手をだされ、慌てて自分のスマホを取り出す。
「私たち友達なんだから、金子さんの友達でイイ男いたら、紹介してよね」
「そういうことか」
相楽さんらしすぎる発言に思わず吹き出す。
「なによ」
「いや、私相楽さんのこと、けっこう好きだなと思って」
「女に好かれても嬉しくないから」
「つめたい」
「それにしても、あんたも単純な女ね。あれだけ私に悪口言われてたくせに」
「まぁ、そうですけど」
相楽さんにはかなり辛辣な言葉をぶつけられたけど、ああやって面と向かって私に悪口を言ってきたのは彼女だけだった。
棘のある言葉に傷ついたけど、集団で遠目からヒソヒソ言われるより、ずっとマシだと思う。
そう思いながら小さな手鏡で自分のメイクをチェックしている相楽さんをぼんやり見ていると、テーブルのはじに置かれた伝票をひょいと誰かが持ち上げた。
驚いて顔をあげると。
「金子さん!」
私のことを優しい顔で見下ろす金子さん。
「そろそろ休憩終わるぞ」
金子さんはそう言いながら、さっさと私達の伝票をレジに持って行き支払いをしてくれる。
「金子さん、どうしてここに?」
慌てて後を追い財布を取り出そうとすると、そっとその手を下ろされた。