腹黒王子に秘密を握られました
「寒くない?」
「あ、大丈夫です。ありがとうございます……」
私を気遣うように顔をのぞきこみ、優しく微笑みかけてくれる金子の顔を見ながら、少しずつ頭がはっきりしてくる。
いやいやいや、なにこいつの優しさに絆されそうになってんだ、私。
私が気を失う原因となったこいつの暴挙を思い出して、怒りがこみ上げてくる。
「……っていうか、金子さん、なんですかさっきのあれはっ!」
「おっと、素の友野さんが出てきた」
人を二重人格みたいに言うな!
「いきなり交際宣言とか、お、お、でこに、ちゅー、とか……っ!」
「あぁ、まさかおでこに軽くキスしただけで卒倒されるとは思わなかった。気を失うくらい嬉しかった?」
てめぇ、っざけんなよ! 誰がお前見たいな外面だけの腹黒男にキスされて喜ぶかっての!
自意識過剰もいいかげんにしろよおぉぉ!!
「海外勤務のエリートの彼氏がいて、結婚間近だとか言ってたクセに、キスもしたことない、恋愛経験ゼロの女だったとはなぁ」
「ちょ、それ私が言ったんじゃなくて、勝手に噂されてただけですからっ!!」
「ちなみに俺達が付き合いだしたって噂も、あっという間に広がったよ」
「まじか……!」