腹黒王子に秘密を握られました
 

三次元の男に頭を叩かれるなんざ、とても腹立たしいことなのに、なぜかもう少し触れていてくれればいいのに、なんて思ってしまった私は、きっと寝不足で疲れてるんだなと考える。

くじのために早起きしたから、さすがにちょっと眠い。

助手席で小さくあくびをかみ殺していると、「ちょっとコンビニ寄っていいか?」と金子が声をかけてきた。

「いいですよ。私車の中で待ってます」

「ん」

慣れた様子でコンビニの駐車場に車を止め、シートベルトを外す。その姿を見送りながら、少しだけシートを倒して目をつぶった。

それにしても、今日みせてもらった家は、いい空気の家だったな。

リビングからもキッチンからも見える、白い塀に囲まれた庭もちょうどいい。
あんな家で育ったら、きっと子供はのびのび過ごせるだろうなぁ。

できればあの家に次に住むのは元気な男の子がいい。
お庭で犬なんて飼っちゃって、芝生の上で転げまわるの。


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