腹黒王子に秘密を握られました
なんて勝手な妄想をしていると、ガチャリとドアの開く音がした。
「お前、車の中で無防備に寝んなよ」
うっすらと目を開けると、不機嫌な顔をした金子がこちらを見下ろしていた。
「ちゃんとドアロックしてましたよ」
「じゃなくて、外から寝顔丸見えだろ」
「私、そんなに寝顔汚いですか?」
ヨダレでもたらしてただろうかと、慌てて袖で口元を拭うと、大きなため息をつかれた。
ぽいっとミルクティーのペットボトルを投げ渡され、驚いて受け取る。
「あ、ありがとうございます」
さすが、外面王子。
普通のペットボトルではなく、可愛いプリンセスのデザインボトルを選ぶあたり、こなれてるなと思ってしまう。
「お金、払います」
「別にいい」
そう言いながら、金子は買ってきた缶コーヒーを一口飲む。
「あとこれ」
ついでのようにぶっきらぼうに言って、なにか箱が入ったビニール袋を私の膝の上に置いた。
「なんですか?」
「内覧に付き合ってくれた、礼」
「礼?」
礼も何も、仕事なんだから気にするとこないのに。
そう思いながら、ビニール袋の中をのぞく。