腹黒王子に秘密を握られました
「ぎゃぁーーーーーっ!!」
「うるせぇ!! 車の中で突然叫ぶな!」
悲鳴を上げた私に、金子が大声で怒鳴る。
コンビニの店員が驚いて駐車場に出てくるほどの大騒ぎだ。
「だって、だってこれ、どうして……っ!!」
驚きのあまり泣きながら、金子がくれた箱を胸に抱きしめる。
中に入っていたのは、私が大好きなスポーツ青春アニメのくじの、ほしくてほしくて仕方なかった、A賞のフィギュアだ。
「ほしかったのって、それか?」
「これですこれです! 金子さんどうしてっ!?」
「レジの前にあったから、なんとなく引いてみた」
「い、一発でA賞当てたんですか!? なんて徳の高いお人なんですか! 腹黒のくせに! 外面だけ王子のくせにっ!!」
「てめぇ、返してくるぞ、それ」
「うわぁぁ! ダメです! ごめんなさいごめんなさいっ!! ありがとうございますっ!!」
「なんとなくくじ引いたら『A賞です! おめでとうございますっ!!』って店中の店員にすげーテンションで祝われて、恥ずかしかったんだからな」
「わぉ、腹黒王子がアニメのくじ引いて祝われるって、なんかシュールですね」
「やっぱり、店に返してくる」
「うわぁぁ! ごめんなさいごめんなさいっ! 金子さん大好きです! 愛してますっ!!」
「お前なぁ……」
フィギュアの入った箱を抱きしめ死守する私を見て、金子はあきれたようにため息をついた。