腹黒王子に秘密を握られました
 

「嫁ってなんだ、嫁って」

「うっさい! シネ! バチが当たってシネッ!!」

「てめぇ、それが人に感謝する態度かよ、コラ」

「やだやだっ! 私の宝物に気安く触んなッ!」

「その宝物は誰が当ててやったと思ってんだよ!」

車の中でギャーギャー言い争っていると、ブーブーブーッと低い振動音が聞こえてきた。

ふたりとも条件反射で音の鳴る方を見る。すると金子の方ではなく私のバッグでスマホが震えているようだった。
仕事の電話かもしれないので、慌てて取り出して着信を確認すると、実家の母から。

なんだ、どうせいつものお説教だろうと無視することに決めてスマホをしまおうとすると、

「出ないのか?」

と金子が聞いてきた。

「母からなので、家に帰ってからかけ直します」

「別に出ればいいのに」

「どうせ怒られるだけですから」

「お前が二次元に夢中になってるから心配してるんだろ」

「うぅ……」


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