運命の出会いって信じますか?
エレベーターも一人きりだった。
ゆっくりと外へ出て、もう一度自分の勤め先となった会社の本社を眺める。
私も社会人として頑張って行かなきゃ。
珍しく生真面目にそんな事を私が思っていると、自分で自分が可笑しくなる。
私はそこから駅に向かって歩き出そうと、身体の向きを変えた。
「よう。」
「えっと…。」
「俺、日下英輔って言うんだ。」
「はあ…。」
私は急に自己紹介をされて、生返事をしてしまった。
間違いなくさっきまで隣で研修を受けていた営業さんだ。
「君の名前は?」
「野々村華。」
何となくついぶっきらぼうに答えてしまった私。