運命の出会いって信じますか?
私のそんな様子に、英輔が言う。
「そうやって華は育てられたんだな。やったらいけないと怒るより、自分で覚えるまで待つか。」
私のお母さん曰く、私とお姉ちゃんは自由に育て過ぎた結果、こうなってしまったらしい。
英輔は暗にその事を言っているんだろう。
真先がぐずりながら、テーブルの下から這い出してきた。
そして涙でいっぱいの目で私に抱っこしろと訴える。
それを横から英輔が抱き上げた。
「それより華、復帰の日が決まったぞ。」
私は英輔に抱かれた真先をあやしていたが、その手が止まった。
「英輔、どういう事?」
「ついに業務に支障が出てきたようだ。真先は会社の託児所で預かる手続きをするから、2か月後には出社して欲しいって。」
「名古屋に行くより、早いじゃない。」