運命の出会いって信じますか?
「真先に添い寝してやって。連絡が入ったら、ちゃんと知らせるから。」

私はもう抜け殻のようになってしまっていて、何となくお母さんの言う事にうなずいて、真先を抱き上げて立ち上がった。

「分かった。」

私はふらふらと歩き出した。

私は元の自分の部屋で横になる事も出来ずに、真先を抱きながらただ茫然と布団の上に座り込んでいた。

きっと何かの間違いだよね。

それとも予定通りの飛行機に英輔が乗れなかった事もあるかもしれないし。

そのうちひょっこりとお兄さんと英輔が帰って来るんじゃないかと、そんな思いに捕らわれて…。

もう私の思考は限界だったようだ。

気絶するかのように私の思考は止まり、いつの間にか私は意識を手放していた。

「華。」

どこかで英輔の声がする。

私はハッとして、目を覚ました。
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