運命の出会いって信じますか?
身体中が汗でぐっしょりしていたのは、真先を抱いて寝ただけが理由じゃないと思う。
あの英輔の声は夢だったのだろうか。
私は今も意識が朦朧としている。
でも時間だけが過ぎて、何度も夢と現実を行ったり来たりしていたような気がする。
私は眠っている真先を布団に寝かせると、リビングに行った。
「華!」
お姉ちゃんが私に気が付いた。
まだお兄さんは戻ってきていないようだった。
お母さんが私をソファに座らせて、優しく手を握ってくれた。
「華、しっかり聞いてちょうだい。落ちた飛行機に英輔君が乗っていたのは間違いないわ。飛行機は胴体着陸をして、そのまま滑るような形で炎上したみたいなの。」
そしてお母さんは一度私から目を反らしたが、思い直したようにもう一度私を見た。