運命の出会いって信じますか?
そう言いながらこちらを彼は向いたが、その顔の近さにちょっとびっくりしたようだった。

「あんまりこっち見ないでね。ひどい顔になりそうだから。」

私の言葉にくすっと彼は笑うと、ミニコースターは動き出した。

一瞬がくんとして、持ち直すように前に進む。

安全バーを気にしながら、私を時々チラリと見る日下君。

「楽しい。子供の頃に戻ったみたい。」

素直に出た私の言葉に、彼も反応する。

ミニコースターで感じる風が気持ちいい。

「ああ、俺も久しぶりだ。」

そしてそっと日下君の左手が私の腰に回った。

「日下君…。」

そんな私の声は聞こえなかったかのように、彼の方に腰を引き寄せられる。

「華って呼んでも良い?」

彼の唇が私の耳元でささやく。
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