恋の魔法と甘い罠Ⅱ
晴希さんは再度そう訊いてきたけれど、あたしは何も答えることができなくて。



“玲夢?”


「……ごめん」



それだけ言うと、ぎゅっと目を閉じたままぷつりと電話を切ってしまった。


こんなことをしたら、余計に心配をかけてしまうと思ったけれど、どうしても今は会いたくないから、ここにいることを悟られたくないと思ってしまった。



「晴希から?」


「はい」


「俺から話してみようか?」


「え」


「玲夢ちゃんが訊けないのなら、俺から……」



そう言ってくれる凪さんの気持ちが凄く嬉しかった。


あたしからはきっと訊けないし、そうしてもらえたら凄く心強い。


けれど、自分でちゃんと訊くべきだとも思ってしまう。そんな勇気もないくせに。
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