恋の魔法と甘い罠Ⅱ
足早に近づいてくるその姿をじっと見つめながらも、誰だかわからない。


でもあたしの名前を呼んだってことは知っている人だよね?


しかも名字じゃなく名前で呼んだからきっと親しい人。



「あ……」



けれど、近づいてくる度にあたしの脳内にじわりじわりと浮かんできた。



「さ、く?」


「やっぱり玲夢じゃん!」



あたしが名前を呼んだと同時にパッと輝いた表情。


この笑顔、あの頃と全く変わらない。



「な、んで?」



ここにいるの?


そう訊こうとしたあたしの声を遮るように朔(サク)が言葉を被せる。



「俺、ここの三階で働いてるんだ」


「そ、なんだ」


「玲夢は?」
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