恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「ははは、また惚れた?」


「ば、馬鹿っ!」



朔……河野朔太郎(コウノ サクタロウ)は、あたしの初彼で一年半ほど付き合った。


けれど、高校三年に上がるときに朔が転校して。


お互いに遠距離は無理だと思って、別れた。


あの頃は本当に本当に大好きだったから、別れたあとは物凄く辛くて毎日泣いて過ごしていた。


それでもあたしの心の中に居座っていた朔はいつの間にかいなくなっていた。


時間と共にいなくなった。



「これから帰るのか?」


「うん」


「その前に……」


「え?」


「そこのカフェでも入らねえ?」


「……」



そこのカフェ……このビルの一階、入口付近に入っているカフェ。


時間はあるけれど、今更何も話すことはないし。
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