恋の魔法と甘い罠Ⅱ
彩未と琉生が先に帰っていくのを見送ってから、あたしも同じ方向である朔と一緒にタクシーに乗り込む。


ここからはあたしのアパートの方が近いから、先に降りることになった。



「じゃあまたね」


「……玲夢」



なぜかタクシーから降りてくる朔。



「え、どうしたの?」


「……いや、何でもない。またな。おやすみ」



あたしの瞳をじっと見つめていた朔は、何か言いたげだったのに、結局あたしの髪をくしゃくしゃと撫でただけで、何も言わずにまたタクシーに乗り込んだ。


何だったの?


訳がわからなくて、タクシーのテールランプが曲がり角で消えるまでずっと見送ってしまった。
< 188 / 491 >

この作品をシェア

pagetop