恋の魔法と甘い罠Ⅱ
そしてそのままくるりと身を翻してアパートのエントランスに足を踏み入れたけれど。


入ったところの壁に背中を預けるようにして立っている人がいて。



「晴希さん!?」


「おかえり」


「た、ただいま。早かったんだね」


「まあな」



出迎えるどころか、出迎えられてしまった。


しかもこんな場所で。



「晴希さんいつも八時過ぎて帰ってくるから、のんびりしてきちゃった。ごめんね」


「いや、いいよ。俺もゆっくりして来いっつったしな」



ウェディングパーティーがお開きになって、四人で飲み直そうと言われたときに、晴希さんにもそれを伝えた。


そしたら『ゆっくりして来い』って言ってくれたんだ。


けれど、あたしは晴希さんよりも遅く帰ってくるつもりはなかったのに。
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