恋の魔法と甘い罠Ⅱ
その瞳が何か言いたげで。



「何?」


「んー、いや……何もねーんだよな?」


「え?」


「いや、わり。何でもねえ」



歯切れ悪くそう言った晴希さんは、たどり着いた玄関の鍵を開けてそのまま中に入る。


手を繋いでいるからあたしも引っ張られるように入ったけれど。


もしかして、朔とのことを疑ってる?



「何もないよ」


「ん?」


「元彼とは、何もない。帰りの方向が同じだったから相乗りしてきただけだよ」


「……」



あたしの言葉に一瞬目を見開いた晴希さんだけれど、すぐにそれを細めて視線をそらす。



「わかってる」


「え?」
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