恋の魔法と甘い罠Ⅱ




「え、何で?」


「いや、何で? って、同じ方向なんだからそうなるだろ?」



ヨガ教室を出てからずっとあたしの隣を陣取っている朔は、あたしが降りる駅で一緒に電車を降りてしまって。



「だって、朔は一駅先でしょ?」


「あー、俺、引っ越したんだよね」


「え!」



朔はこの春、高校の頃に引っ越した場所に戻ってきたって言っていた。



「実家に住んでたんだよね?」


「ん。けど、兄貴が結婚してさー。なんか居心地悪くて独り暮らし始めたんだよね」


「そうなんだ……」



そういえば朔にはお兄さんがいた。


五つくらい離れていたんじゃなかったっけ?


てことは、もういい歳だもんね。
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