恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「邪魔しないでよね」



睨みをきかせた瞳を向けられながらそう言われて、思わず体を縮こませる。


そのままふいっと身を翻した石崎さんはエレベーターに乗り込んだ。


その光景を見ながらふと思う。


何であたしが邪魔者扱いされなければならないの?


悔しくて瞳の奥が熱くなるのを感じながら歯を食いしばってそれを堪える。


晴希さんとは“ただの仕事仲間”というだけの人から言われた言葉がショックすぎて、暫くその場を動けなかった。



「玲夢?」



けれどそんなときに後ろからかけられたやさしく柔らかい声に振り向く。



「どうしたんだよ?」



声どころか瞳までやさしく細められていて。


今のずたずたに傷ついてしまったあたしの心が少し和らぐ。
< 227 / 491 >

この作品をシェア

pagetop