恋の魔法と甘い罠Ⅱ
朔にそう言われて、確かにそうだなと思う。


あの光景は事実だし、かといってあたしが悩んでいたって取り消せるものでもない。


石崎さんが強引にしたものだから、晴希さんが悪いわけでもない。


だったら……、朔の言う通り今だけは忘れて楽しく飲んだっていいよね?



「朔」


「ん?」


「ありがとう」



顔は伏せたままぼそりと呟くようにそう言うと、朔はふっと笑いながらあたしの髪をくしゃくしゃと掻き回す。



「ちょっ! 何するの!?」



ただ撫でるだけならまだしも、髪型が崩れてしまうほどにくしゃくしゃするから、咄嗟に朔の腕を掴んでその動きを止める。


そのまま立ち上がったあたしは、朔の向かいに座り直した。
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