恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「あたしと結婚すれば、和泉さんは出世街道まっしぐら。でもあなたといたら、パパの顔を潰すことになるから……きっと、左遷されちゃうんじゃないかしら」


「……」



石崎さんから告げられた言葉に、あたしはひゅっと息を呑みながら目を見開く。


晴希さんはそんなことをしてまで出世したいと思う人ではない。


でも今の彼女にそれを言ったところで通じないのもわかっている。


それに専務の娘である彼女にあたしが何か言ったら、もしかしたら晴希さんの立場が悪くなってしまうかもしれない。


だからそのあとも続けられた根も葉もないような彼女の話を、ずっと黙って聞いていた。
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