恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「珍しいな」



リビングに入ると途端に飛んできた声に、はっと顔をあげる。


琉生がいるかもしれないということを全く考えていなかった。



「ごめんっ! か、帰る!」



そのまま180度方向転換したあたしの手をぎゅっと握ってきた彩未。



「何かあったから来たんでしょ? 話聞くよ?」


「でも……」



貴重な二人の時間を邪魔してはいけないという思いがあってか、彩未の言葉を素直を受け入れられない。


そんなあたしを前に琉生はソファーから立ち上がる。



「俺、また朔んとこ行ってくるわ」


「また?」



何気なく言っただけなのかもしれないけれど、『また』という言葉がなぜか気になった。
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