恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「ふふ、喉が乾いていたの?」


「そうみたい。全然自覚がなかったんだけど」



まあ、八月半ばなんて、熱帯夜と呼ばれる日が何日も続いてしまうほどに暑いんだから、喉が乾くのは当たり前だよね。


しかもあたし、家を出る前にちょっとお茶を飲んだだけで、そのあとは何も口にしていないんだもん。


その上さっき泣いちゃったし。


貴重な水分を放出してしまったんだもんね。


その理由を思い出して、また気持ちがずーんっと沈んでいく。



「で? 何があったの?」



そんなあたしの心を読んでいるんじゃないかと思うほどにタイミングよく、彩未が話しかけてきた。
< 337 / 491 >

この作品をシェア

pagetop