恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「じゃあ、また」


「うん」



朔は『また』と言ってきたけれど、これからはきっとわざわざ会うこともないと思う。


ていうか、今までも偶々会っていただけで、約束していたわけではないんだけれど。


そのまま会社ビルに着いて自動ドアを潜ったけれど、晴希さんはエレベーターには向かわず反対の方へ歩いていく。


もしかして晴希さんは何か用事があるのかな?


そう思って目の前の背中に声をかける。



「晴希さん、あたしはエレベーターで行くね」



そのまま180度方向転換しようとしたあたしの手を掴んだ晴希さん。



「え、何?」


「ちょっとこっち」



そう言われて連れていかれたのは非常階段。
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