恋の魔法と甘い罠Ⅱ
お昼休憩に出たときのあの幸せな気持ちとはがらりと変わってしまったこの空気に凄く胸が痛みながらも、ちらりと目に入った時計の針で現実に引き戻される。



「晴希さん、ごめんね」



そう一言残して、あたしは先に非常階段の扉を潜り抜けた。



そのままエレベーターに向かいながら、瞳の奥が熱くなってきたのを感じて、それがこぼれないように掌で両頬を挟むようにぱちんと叩く。


そして何回も大きく深呼吸をする。


そんなときにちょうどやって来たエレベータに乗り込んで、経理課のある五階へ向かった。
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