恋の魔法と甘い罠Ⅱ
ゆっくりと振り返ると、晴希さんはほっと息をついた。



「うさぎを触るときは手袋をしなきゃならねーんだぞ」


「あ」



そうだった。


入口にそう書いてあったんだった。


うさぎは鋭い歯を持っているから、万が一噛んでしまったときは責任を負いかねると。


だからそんなときのために手袋をはめなければならないんだった。



「ほんと、玲夢は目の前のことしか見えなくなるよな。マジで小学生」



そう言って晴希さんはおかしそうに笑っている。


うぅ、また呆れられてしまった。


近くに置いてある籠から手袋をひとつ取り出してそれをはめる。


そして白いうさぎの方に手を伸ばした。


そーっと背中を撫でると、うさぎは気持ち良さそうに目を閉じる。
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