恋の魔法と甘い罠Ⅱ
二回続けて達してしまった身体は、脱力感で一杯で。


また晴希さんの肩に頭を乗せる。


晴希さんは左手で腰を引き寄せながら、右手で髪をそーっと撫でてくる。


その心地よさに浸っていたあたしの耳の傍で、晴希さんは思い出したように口を開く。



「あ、そうだ」


「ん?」


「休み明けの週末に出張が入った」


「え」



あたしが顔を上げると、晴希さんは眉を下げる。



「わりぃ、こんな場所で仕事の話なんて……けど、今言わねーと忘れそうな気がして」


「うん。大丈夫だよ」



会社を出たら仕事の話をしないと決めているのは晴希さんだけ。


あたしは必要なことはいつでも話せばいいと思っているし、そんな風にはっきりと決める必要はないと思っているから。
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