その瞳をわたしに向けて
結局口が軽くなる美鈴

「三年くらい前に何度かね、でも………余程剛平君のこと好きだったのね、今みたいに煙草吸いにいってる間に置いてある剛平君の携帯触り始めちゃって………」

視線は同じように置きっぱなしの松田の携帯電話

本当に置いてある………

「ついついダメよって言ったら、『恋人だからいいんです。何がいけないんです?』って言われちゃって、その日以来きてないの、悪いことしたゃった」

ちょっと苦笑いする美鈴に美月が首を振る

「すべて悪いのは松田さんです。これは営業失格です、美鈴さん」

そう言って松田の置きっぱなしの携帯を指さした。

「ママでいいよ、呼びにくいでしょ。美月ちゃんとは仲良くなれそうね。剛平君ともお似合いだし、本当に付き合ってないの?」

「本当に付き合ってないです。会社の先輩後輩です。いつも怒られてばっかりなんですから……」



「それはミスばっかりするお前がわるいんだろ」

後ろからガッツリ頭を片手で掴まれると、さっきまでの美鈴の軽かった口がピタッと閉ざされた
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