その瞳をわたしに向けて
奥にある小さなパウダールームに誰かいるようだった。
「別れた理由、堀内さんに聞いたのに肝心な事は、笑って誤魔化されて本当に使えないし、あの人………」
段々声がはっきりしてきて、出入り口に近づいて来るのがわかった
「あ……………」
パウダールームから出て来た二人組がトイレの入り口にいる美月を見つけて立ち止まった
この人どっかで…………
二人のうち一人は見た事ある…………どこだっけ?
「…………清宮美月」
ドキッとした。
美月の名前を口にしたその女子社員は、あの倉庫で松田に抱きついていた人で
…………お持ち帰りの人、確か石原真由美
何か気まずい…………ここは引き返そうかなぁ
「ねぇ……」
一歩後退する美月に対し、真由美の方から話しかけてきた。
「清宮さんってさぁ、いつまで会社にいるの?」