その瞳をわたしに向けて
「別にわざと怒らせてる訳じゃないんですけど、自分が覚えが悪いのもわかってるんです。でも、きっとそれが気に入らないんです松田さんには………」
少し口を尖らせてそう言う美月の顔を覗き込み、頭を指の長い手で撫でてくれた
「そうだね、清宮さん一生懸命やってるんだから言っとくよ、あいつには」
相変わらず柔らかい笑顔で笑う杉村常務
思わず俯いて肩をつぼめてしまう
「清宮さん、実は君に聞きたい事があるんだけど……」
徐に杉村常務が食事の手を止めて美月に視線を向けた
「君がうちの会社に決めたのは何故なのかと思ってね」
「えっ……?」
「清宮コンツェルン代表取締役、清宮亜門社長の愛娘がまさかの就職活動するとは、不思議だったものでね」