その瞳をわたしに向けて

「………」

杉村常務は、一旦烏龍茶を飲み干した

「君に話がされてないのは清宮氏の考えで、ちゃんとお互い知り合った上で、話を進める予定だったんだと思うよ」


確かに、その意図は正解だったかもしれない、少なからず私は貴方に好意を持ってますから………


「だって………常務は立花さんと………」

そう言う美月に常務はフッと息を小さく吐くように目を伏せた

「この会社での僕の位置っていうのはそれほど大きなモノではないからね、代表取締役の泉直孝社長、その下の道孝専務、その他娘婿が本社役員をしていて、でも清宮との縁談によって僕の地位は本社役員へと変わるらしい」

「……地位?」

「そう、それくらいイズミは清宮とのより強固な繋がり欲しいらしい。古い言い方すると政略結婚ってことかな」

言い放された杉村常務の少し笑いを込めながら歪んだ表情をした

政略結婚………要するにそれは杉村常務に気持ちがないってことだよね

「……もしそうなったとして、立花さんとはどうするんですか?」

「………………別れないかなぁ」


「…………」

美月の一旦膨れたような感覚の心臓に、チクチクとまち針が何本か刺さる
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