その瞳をわたしに向けて
◆◇◆◇
「今日の撮影はこれで終了でーす。お疲れ様でしたーー。」
都内某公園で日が沈むと同時に終了になった雑誌の撮影
メイクスタッフとして事務所の先輩の神崎チーフのアシスタントに付いていた美月
「美月ちゃんっ、撤収撤収。」
時間制限があるのか、騒然としながら片付けが始まる
「美月ちゃん、このあと何か用事ある?」
撮影は思いのほか早く終わったが、神崎チーフがもうひとつ個人的な別件があるんだけど、手伝ってくれない?と頼んできた。
「知り合いの結婚式の二次会なの、メイクと髪のアレンジ頼まれたんだけど、美月ちゃんセンスいいから」
「はいっ、大丈夫です。」
何をするにも今は、忙しいほうが気が紛れていい。仕事でクタクタになったほうが、考え込まなくて…………
「美月ちゃん、神崎チーフにコキ使われてるよぉ、個人的な仕事はいくら先輩だからって断ってもいいんだよ。」
近くで聞いていたスタイリスト担当のスタッフさんが、呆れた声でそう言った。
「本当に大丈夫です。神崎チーフの近くにいると、勉強になりますから」
そう言ってガッツポーズを見せた