その瞳をわたしに向けて


引っ張り上げられて、向かい合ったまま目が離せない。

松田の手がゆっくりと美月の頬を拭う


「俺の結婚の話はデマだ。取引先の彼女と婚約もしてないし、付き合ってもない。俺にもその意思は全くなかった。」



松田にとっては何度もしてきたその話だが、ここではっきり力強く主張した。


「…………美月?」

力の抜けた美月が、視線を向けただけで動かない。



「……………ウソ?」

聞こえるか、聞こえないかの上擦った声で微かに口が動いた。


「ああっ………」

そう言ったと同時に、美月が急に松田の両腕を掴み返した

「?!」


「…………じゃあ! 剛平は誰にも触れてない? 好きになってない? キスも………あ、でも海外は挨拶でするの………」

目を大きく見開いて声を上げ、松田に掴みかかったってきた美月を見てホッとして

そのまま腕を広げて美月を抱き込んだ





「やっと、見つけた…………」







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