キミに出会うまで
「受付お願いします」


まるで、てっちゃんと私の間に割り込むように入ってきたその男性が、私には救世主に見えた。


「お待たせして申し訳ありません、お名前をうかがってもよろしいですか?」


「横浜支店の森です」


「あ・・・えっと、今度システムの件でお世話になります、坂本と申します」


「あぁ、あなたが注文多くて有名な坂本さん。


で、さっきからふたりで痴話喧嘩してるわけ。


でも確か、渡辺さんって結婚してませんでしたっけ?


ってことは、まさか・・・」




そこまで言われて、さすがにカチンときた私は、


「こちらネームプレートです、中で資料をお受け取りください!」


と、話をさえぎった。



てっちゃんはいつのまにか、少し離れた場所で関西地区の社員と話してた。



なんなのこれ。


なんで、あそこまで言われなきゃなんないわけ?


っていうか、和真先輩情報だと、いい人なんじゃなかったっけ?


第一印象サイアクなんですけど。


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