キミに出会うまで
どうして、赤ちゃんをおろせなんて言ったの?


どうして、離婚してくれなかったの?


どうして、一緒になれなかったの?



あの日からずっと、答えのみつからない迷宮でさまよっているようで。


いっそのこと、てっちゃんがはっきり理由を言ってくれたらよかったのに。


それがどんなにひどい理由でも、何も言われないより、ずっとマシだったのに。



会議で再会して、話したいと言われたけれど。


これ以上傷つきたくなくて、怖くて、逃げてしまった。




結局私は、逃げてばっかりだ。


このままじゃいけないって、わかってる。


てっちゃんと向き合って、本音でぶつからないと、前に進めない。


てっちゃんに『おろしてほしい』と言われたあの日、沈黙を貫くことで、私は自分を必死で守っていたのかもしれないけど。


今度、てっちゃんに会う機会があれば、正面からぶつかっていこうと、少しだけ思った。









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