キミに出会うまで
外に出ると、10月なのに風が冷たかった。


また森さんと一緒に仕事をすると思うと、なんか複雑だった。


なんでも話してきたようで、肝心なことは避けていた気がするし。


てっちゃんからは、あれから特に連絡もないし。


なんか、全部中途半端なんだよね。


あーあ、なんかコーヒーでも飲んで、気分変えたいな。


その時、コンビニが目に入って。


森さんにも、コーヒーをあげようと思い、2つ買ってまた会社へ戻った。



フロアに入ると、森さんは誰かと電話しているみたいだった。


私をチラッと見ると、


「・・・そう、じゃあ、また連絡して」


と、慌てたように電話を切った。


「ごめん、オジャマだった?」


コーヒーを渡しながら謝ると、


「いや、別に」


コーヒーを受け取った。



いい香り。


コーヒーを一口飲むと、モヤモヤした気持ちが癒された。




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