気になるパラドクス
「久しぶりに皆揃ったから、お寿司の出前にしようって思っているんだけど、村居さんはお寿司大丈夫です?」

「だ、大丈夫です」

そう言うと同時に、隣に黒埼さんが座った。

「好き嫌いないのか?」

「うん? 特にないよ。黒埼さんは香草以外に何かある?」

普通にそう聞いたら、黒埼家の皆さんに同時にふっと笑われる。

「私は辛いものが苦手だねぇ」

「あたしはホルモンが無理」

「俺はないな」

お父さん、真理さん、黒埼さんの順番に答えが返ってきた。

……一家総出でからかってる?
確かに皆“黒埼さん”だろうけど、それは間違いないんだけどね?

似た者家族か!

思わず絶句したら、黒埼さんが肩を震わせながら顔を逸らせた。

ともかく、緊張は一瞬で霧散してくれたけど、これはこれでどうなんだろ。

何を話していいものかわからなかったけど、出前のお寿司が来て、食べ終わる頃には自然と会話できるようになっていた。

「そういえば、村居さんて初期のころからのファンなんですね~」

「当時は可愛いって言うより、カエルが好きだったんです」

真理さんとフロップの事で話していたら、お父さんがお茶を飲みながら考えるような顔をする。

「初期ストラップも持ってるとすると、年末のイベントくじも引いていたかな?」

年末のイベントくじ? フロッグすてっぷで何かあったかな?

「店名が変わって数年は、年末に限定品のくじ引きをしていたんだよ。記憶にないかい?」

お父さんの顔をまじまじと見ながら考えて、思い出した。

「ああ! 確か、二位を出した事があります。その時は何だったかなぁ。フロップのキッチンセットをもらった記憶があります」

フロップの鍋つかみと、フロップが柄に座っているお玉とフライ返し。
可愛かったけど、失敗して直火にかけて溶かしちゃったんだよなぁ。

考えていたら、黒埼さんが髪をつんつん引っ張った。

「お前って、本当にコアなファンだったんだな」

「うん。フロップ可愛いもん。そのうちミリーが発売されて、癒された」

確か、ミリーの方が後なんだよね。
考えていたら真理さんがニヤリとした。
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