気になるパラドクス
「月曜日……仕事に行けない~」
「月曜乗りきりゃ、正月休みだろ?」
「そうだけど。だから余計に月曜日に集中砲火浴びるじゃない~」
半泣きになってそう言ったら、黒埼さんは笑いを含んだ声で呟いた。
「俺も行こうか?」
「絶対に来なくていい」
顔を隠していた手を外して、じろっと睨むと、やっぱり見慣れない黒埼さんが私を眺めていて硬直する。
「また、部下の人に化粧してもらったのか?」
「う、うん。ちょっとたれ目を作ってもらった」
「凛とした目元も好みなんだけどな。まぁ、いいか。見慣れないのはお互い様だから、そのうち慣れるだろ」
こういうのは“お互い様”なのかな。そうは思えないけど……。
そして今さらながら、歩いている場所に気がついた。
このルートは駅前に向かってる?
「今日は車じゃないの?」
「車じゃないの。クリスマスは一緒に飲みたいだろ」
そうだね。クリスマス……当日だけどね。
「何の花束持ってたの?」
聞いてみたら、キリッとした表情を返される。
「それっぽく、赤い薔薇」
「赤い薔薇? 花束って事は、けっこうな値段だったんじゃないの?」
「プレゼントを値段で計るな。つーか、結果として美紅の部下にやっちゃったし」
ちょっぴり残念。しょんぼりしていたらタクシー乗り場で下ろされた。
「こっからタクシー乗るぞ」
「ねえねえ、どこに行くの?」
「秘密だ」
不敵に笑う黒埼さんにひきながら、順番待ちの列に並び、あまり待ちもせずにすぐにタクシーに乗り込んだ。
いいもんね。タクシーに乗ったら場所もわかるでしょ?
そう思っていたけど、黒埼さんはスマホを取り出して運転手さんに見せるという手段に出た。
「わかりますか?」
「わかります。いいですね、デートですか?」
運転手さんの笑顔に、ぷくっと頬を膨らませる。
涼しい視線で見返され、それから黒埼さんは微笑んだ。
「河豚も可愛いな」
「ハリセンボンになってもいいけど」
「トゲはやめろ、トゲは」
そんなことを言い合いながら、辿り着いた先に見えたもの。
その佇まいにあんぐりと口を開けた。
「月曜乗りきりゃ、正月休みだろ?」
「そうだけど。だから余計に月曜日に集中砲火浴びるじゃない~」
半泣きになってそう言ったら、黒埼さんは笑いを含んだ声で呟いた。
「俺も行こうか?」
「絶対に来なくていい」
顔を隠していた手を外して、じろっと睨むと、やっぱり見慣れない黒埼さんが私を眺めていて硬直する。
「また、部下の人に化粧してもらったのか?」
「う、うん。ちょっとたれ目を作ってもらった」
「凛とした目元も好みなんだけどな。まぁ、いいか。見慣れないのはお互い様だから、そのうち慣れるだろ」
こういうのは“お互い様”なのかな。そうは思えないけど……。
そして今さらながら、歩いている場所に気がついた。
このルートは駅前に向かってる?
「今日は車じゃないの?」
「車じゃないの。クリスマスは一緒に飲みたいだろ」
そうだね。クリスマス……当日だけどね。
「何の花束持ってたの?」
聞いてみたら、キリッとした表情を返される。
「それっぽく、赤い薔薇」
「赤い薔薇? 花束って事は、けっこうな値段だったんじゃないの?」
「プレゼントを値段で計るな。つーか、結果として美紅の部下にやっちゃったし」
ちょっぴり残念。しょんぼりしていたらタクシー乗り場で下ろされた。
「こっからタクシー乗るぞ」
「ねえねえ、どこに行くの?」
「秘密だ」
不敵に笑う黒埼さんにひきながら、順番待ちの列に並び、あまり待ちもせずにすぐにタクシーに乗り込んだ。
いいもんね。タクシーに乗ったら場所もわかるでしょ?
そう思っていたけど、黒埼さんはスマホを取り出して運転手さんに見せるという手段に出た。
「わかりますか?」
「わかります。いいですね、デートですか?」
運転手さんの笑顔に、ぷくっと頬を膨らませる。
涼しい視線で見返され、それから黒埼さんは微笑んだ。
「河豚も可愛いな」
「ハリセンボンになってもいいけど」
「トゲはやめろ、トゲは」
そんなことを言い合いながら、辿り着いた先に見えたもの。
その佇まいにあんぐりと口を開けた。