気になるパラドクス
そんな風に、何となく会話をしながらお目当てのショップについた。

白いペンキで塗られたテラス風の店構えに、並べられたミニチュアサンタさん。出窓から見えるガラスの動物が可愛い。

木製のドアを開けると、チリンと微かに音がして『いらっしゃいませ』と、明るく元気な声が響いた。

ざっと見た感じ、全体的に可愛いらしくデフォルメされたお花が多いし、カントリー調のものが多い。

「見た感じ、普通の雑貨屋さん?」

ごちゃっとしていそうでしていない。
無造作で実はきちんとしているのは、けっこう好みな内装。

黒埼さんを見上げると、ちょっぴり苦笑された。

「わくわくしてるな?」

……それはもちろん。

「こういう店内だと、宝探ししているみたいでしょ? あなたのとこも、最初はこんな感じだったじゃないの」

黄色いお花が咲いたカップを手に取って眺める。

うーん。もうちょっとアニメチックな方が好みかなぁ。こっちの黒猫さんのカップも可愛いし……。

ああ、アクセサリーも置いているんだなぁ。

……と、そこまで店内を散策して、無言の黒埼さんをまた見上げる。

「どうかした?」

「……お前が一番最初に行った、うちの店ってどこ?」

お店? ああ、フロッグすてっぷのお店ってことかな?

「もう、かなーり昔だから……でも今もあるよね? H区の裏通りにあるお店よ?」

私が20代の頃の話だし、もう何年前かは忘れたけど。

「もともと可愛いカエルが好きでキャラクター集めまくっていたから、最初にストラップ集めたわねー」

「……それってコレ?」

ポケットから出てきたのはカードキー。それについている鈴付きのストラップに目を輝かせた。

「懐かしいー。ちょっと色褪せちゃったけど、うちにあるのと一緒」

ニコニコ近づいて、呆然とする黒埼さんに首をひねる。
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