ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜



真斗の所に行きたいという自殺願望なのかと思い、そう聞いた。


死にたいのかとの問いに、敬太は「違う」とキッパリ否定した。


それから、静かな声で淡々と言った。


「真斗の敵討ち。ナニカを退治してやる」


ナニカを呼び出したい理由が自殺願望じゃなくても、私は慌ててしまう。


「ダメだよ、そんなの!
敬太までやられて、死んじゃうよ!」


「俺は死なない。ナイフ、ロープ、網、金槌、色々と武器は準備して、罠も仕掛けるから」


「無理! ダメ!
それで退治できる保証なんて、どこにもないもの!」


ナニカを生んだのは私だけど、ナニカについて分からないことがまだたくさんある。


物理攻撃が効くのかも謎で、そんな危ないことを敬太にさせられない。


そう説明したのに、敬太は頑として聞き入れてくれない。


「霞は呼び出すだけでいい。後は俺に任せろ」と、繰り返すだけだ。


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