優しい胸に抱かれて
 別れよう、そう告げられて。待たなくていい、って突き放された私の気持ち。

 わかっていない。何でもわかるって言いながら、ちっともわかっていない。

 私の淋しさなんて、会えた時に抱き締められれば一瞬で吹き飛ぶくらい、そんなちっぽけなもの。

 離れていても、会えなくても、側にいなくても、声が聞けなくたって。


 好きだから、待っていたかった。


 必死で、繋ぎ止めたかった想い。

 『別れよう』の一言で片付けて。


 私の2年を知らなかったくせに。

 自分勝手な想いを告げる言葉は。


 互いの想いの相違が生んだ、別れの理由だった。
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