彼が嘘をついた
「………うん、いいよ」
首を縦に振ったのは、私も彼が好きだから。
初めては彼がいい…
いや、彼以外はイヤだったから。
「その日は金曜日だし、ご飯食べに行こうか。
…遥は先に帰ったら、泊まれる準備をして待ってて。
ディナーと宿泊の予約は俺がするから」
「…分かった」
彼からの誘いに頷いた私は、彼の誕生日当日まで落ち着かない毎日を送った。
一応、プレゼントとしてネクタイとネクタイピンを買った。
ヒロくんに相談したら、それがいいとアドバイスされたから。
当日はいつものように業務をこなし、定時で上がると軽くシャワーを浴びて着替えて、ドキドキしながら彼を待った。
服はレモンイエローのシャツとカーディガンのアンサンブルに、深緑の膝丈のフレアスカートを合わせた。
…下着は"勝負下着"と言うのかな?
白で、フロントにブルーのリボンがついている、上下セットのものをつけた。
着替えや化粧品·彼へのプレゼントが入ったバックをもう1度点検し、彼が来るのを待つ。
それからすぐに、玄関のチャイムが鳴る。
確認すると隼人くんで、ドアを開けると、
「お待たせ。もう行ける?」
と聞かれて頷いた。
「じゃあ行こう」
私のバックをさりげなく持ってくれて、逆の手で私の手を繋いで駐車場まで歩き出した。