彼が嘘をついた
「お先でした。
…遥も行っておいで」

「…うん。
行ってくるね…」
私は逃げるようにバスルームに向かった。

ゆっくりと脱衣所で服を脱ぐけど、ドキドキは止まらない!
それでもシャワーを浴びて、身体を拭いて、さぁ服を着よう!…って、どうしよう?

下着はつけるよね?
服は、同じものを着てもいいの?
それともパジャマ?
さすがにバスタオルを巻いただけで出て行く勇気はない。

…悩んだ末、下着は上下とも着けて、隼人くんと同じTシャツにハーフパンツで彼の元に戻った。

「…いいお湯でした」
全くそんなこと分からないのに、そんなことを言ってみた。

「そっか、良かったな。
…隣、座ったら?」
またセミダブルのベッドに座り、ミネラルウォーターを飲んでいる隼人くん。
自分の右横を指して私に言う。

「うん、ありがとう。
でもね…、その前に…。
誕生日おめでとう。これ、気に入ってもらえれば嬉しいんだけど…」

私は彼の前にプレゼントを差し出した。

「あっ…。サンキュ!
遥から誕生日プレゼントもらえるなんて、マジで嬉しい!」

彼はとても喜んでくれた。でも……

「…遥からのプレゼントって、これだけじゃないよね?」
そう言いながら抱き寄せられる。

彼を見つめると、真剣な眼差しとぶつかって、私は覚悟を決めた。





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