彼が嘘をついた
「えっ…。
ちょっ…、遥さんに楓恋さん。
どうしたんですか…」

不思議そうに陽菜ちゃんが小首を傾げながら尋ねる。
その仕草がかわいい。

「あー、うん。
陽菜ちゃんの言う通りだと思って…。
今回は無理だけど、次からは断るよ」

「そうだね。
…何とか、2次会までは行かないようにしようね」

私と楓恋は、固く決心して頷きあった。

「遥、楓恋、陽菜。
今度はランチじゃなくて夜に女子会しようね」

先輩からの嬉しい誘いに、私たちは
「「「はい!」」」
と返した。

それから、それぞれにランチを食べてオフィスに戻り、午後の業務に入っていった。





☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

「お疲れ様でした」

「すみません。お先に失礼します」

同期会当日の金曜日。
定時になると、私と楓恋は部内に挨拶をしてオフィスを出た。

「お疲れ様でした」

「楽しい週末をね!」

今日が私たちの同期会と分かっているので、そんな声をかけられる。

更衣室に行くと、真由子がいた。

「遥、楓恋、お疲れ様」

「お疲れ、真由子」

「お疲れ様です」

そう挨拶をしながら、カーディガンを脱いで、ブラウスのボタンを外し始める。

「大樹と隼人がエントランスで待ってるって。
私、先に化粧室に行ってるね」

着替え終わった真由子がそう言って出ていく。


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