彼が嘘をついた
「真由子ちゃん、気合い入ってるね」

楓恋が感心したように言う。

いつも同期会ではパンツスタイルの真由子が、今日は膝上のスカートだ。
楓恋がそう思っても不思議はない。

「うん。
…同期会のあと、ヒロくんとデートなんじゃない?」

「…なるほどね。
遥は五十嵐くんとデートじゃないの?」

「えっ…?
うん。帰りは送ってもらうけど…』

話しながら着替える。

同期会。
今までは、真由子が五十嵐くんと、私はヒロくんと一緒に帰っていた。

だけど今日は…

『明日の帰り、俺が遥を送るから』

昨日の夜の電話で、隼人くんが言ってくれた。
たぶん、ヒロくんと真由子がデートだから、そう言ってくれたのだろう。
それか、ヒロくんに頼まれたんだろう。

「遥、着替え終わった?
そしたら私たちも化粧室に行こう」

「あっ…、うん!」

私は楓恋について行く。

化粧室の鏡の前で、髪を梳かして、簡単に化粧を直した。
隣の楓恋も、念入りに化粧を直している。

「今日って、バイキングだっけ?」

「うん、そう。
宣伝部の土屋くんのオススメのお店らしいよ。
焼肉にお寿司に麺類。
おかずも和洋中があって、デザートもドリンクも種類があるみたいよ」

「そっか、楽しみだね」

そう言いながら、私たちはエントランスに向かった。
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