彼が嘘をついた
隼人くんとお肉コーナーに行くと、彼がお皿にカルビとハラミを乗せ始めた。

そして、
「これ、大石たちに置いてくる。
俺たちの分の味付きカルビとハラミを取っておいて」
そう言ってお皿を持って席に向かった。

私は言われた通り、カルビとハラミをお皿に乗せ始める。
彼はすぐに戻ってきて、チキンやベーコン·南瓜やとうもろこしやピーマン·玉ねぎも乗せた。
それを、私たちの席と隣の席の2セット作る。

「遥は食べたいものないの?」

「あっ、うん…。
サラダとパスタが少し食べたい。
でも、あとで自分でとるから大丈夫だよ」

「分かった。
あとデザートもだろう?真由子と西崎と3人で、目を輝かせて見ていたもんな」

「えっ…、いいじゃん」

「あぁ。誰も悪いとは言ってないよ。
でも、肉ももっと食え。
遥も、真由子も、西崎も細すぎて心配。
俺は…、もう少し肉がある女性が好きだな」

隼人くんはそう言って、優しい眼差しで私を見つめた。

「……………」

「……………」

「ごめん、…先に行ってて。
私、サラダとパスタ取ってから行くから」

彼との会話から、そして彼の視線から逃げたくて、私はサラダコーナーへと向かった。
そして、少し気持ちを落ち着かせてから、席に戻った。



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