彼が嘘をついた
すぐに紅茶を煎れて、いただいたプリンを2人で食べた。

一応、付き合ってるフリはしているものの、形だけで特に意識なんてしてなかった。
でも、昨日·今日と長い時間を一緒に過ごして、彼が隣にいることを自然に感じる私がいる。
…何となく、安心するというか…でも、意識しちゃうとドキドキしてしまう―

「ごちそうさま」

「ごちそうさまでした」

食べ終わり、片付けをしようと立ち上がる。
そのとき、
「遥!」と呼ばれて手首を掴まれた。

振り返り、彼を見つめる。
彼も、私を見つめてる。
なぜか、目を逸らせない―。
そして…、

「―お前、警戒心なさすぎ。
俺だって男なんだから、もう少し、意識してくれよ…」

そう呟いた彼の唇が、私の唇に重なった。

昨日とは違い、離れては角度を変えて、何度も重ねられる。
そのうち、彼の手が私の髪を梳きながら、下唇を軽く食む。
その刺激で開いた口に、彼の舌が入ってくると、口内を動き回り、私の舌を絡める。
初めてのことにプチパニックを起こした私は、彼のシャツを掴んだまま、されるがままになっていた。

"チュッ"っリップ音をたてて彼の唇が離れるまで、私の意識は飛んだまま…

ぼーーっと彼を見つめたままでいたら、
「その表情(カオ)ヤバいから」
そう言って抱きしめられた。




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