オトナチック
「もしもの話だけど…私が嫌だって答えた場合、私はここから追い出されちゃうの?」

ここに住むための条件が杉下くんの婚約者を演じることとなると、そうなっちゃうよね?

そう思いながら杉下くんに聞いたら、彼は顔をあげた。

「そう言う訳じゃないけど…」

杉下くんは困ったと言うように呟いた後、人差し指で頬をかいた。

「ただ、本当にばあちゃんには世話になったんだ。

小さい頃に両親を亡くして以来、ばあちゃんは俺の親代わりだったから」

「えっ、そうなの?」

私は驚いて聞き返した。

杉下くん、両親を亡くしていたんだ…。

返す言葉がなくて口を閉じた私に、
「ごめん、こんな話をしちまって…。

高浜も困ったよな?」

杉下くんが言った。
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